▼共同研究
- 高齢者における痴呆の予知・予防医学に関する研究
- 脳波伝播速度を指標とした動脈硬化の進展に影響する因子の解析
- 慢性胃炎・胃癌の原因となるHelicobacter pylori(H.pylori)易感染性の個体差に関する研究
- 脳血管性白質障害が脳循環自動調整能に与える影響に関する研究
- 心血管事故予測因子としての末梢血管内皮機能
- 眼底動脈硬化の評価及び予防に関する分子生物学的研究
- MRIを用いたステロイド関連大腿骨頭壊死症の病態に関する研究
- 脳検診(脳ドッグ)受診者におけるMRI上の潜在病変の意義に関する研究
- 老年期痴呆の神経病理学的及び分子生物学的疫学研究
- 生活習慣秒予防健診データベースを利用した生活習慣病の危険因子に関する疫学的研究
- 健康長寿を目指すための体力医化学の研究
- 小児期からの生活習慣病予防に関する研究(小児期からの生活習慣病予防に関するコホート研究の収集データの解析と追跡調査)
▼部門別研究
- モデルラットを用いた高血圧、脳卒中遺伝子の同定
- 遺伝相談
- 脂肪摂取の胃酸分泌に及ぼす影響についての研究
- 1)前頭部α波パルス光同調法によるストレス軽減についての検討
2)魚類の活性酸素消去能についての研究−キュウリエソを中心に検討
- 脳卒中および脳血管性痴呆の発症機序に関する研究
- 高感度心筋トロポニンTによる慢性血液透析患者の心筋障害のスクリーニングとC型肝炎感染と心・血管障害の関連について
- 腹圧性尿失禁症例に対するシネMRIによる骨盤底筋体操時の後部尿道膀胱角および膀胱過可動性の評価
- モンゴル国への医療援助−モンゴルへ渡航しての小児先天性心疾患に対するカテーテル治療の実践
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島根難病研究所 遺伝体質部門 大谷 班
研究代表者 大谷 浩
1.研究テーマ(1):前頭部_波パルス光同調法によるストレス軽減についての検討
2.研究者氏名:亀井 勉
3.研究概要
【目的】
ヒトを対象に、両眼を光から完全に遮蔽させた状態にて、前頭部の前方より赤色発光ダイオード光を照射すると、α波の実効振幅とCD57-CD16+の変化には相関関係があった。このことから、前頭部へ透過性の優れた光(660nm)を照射するとストレス軽減の効果が期待できる可能性が考えられ、カテコーラミンの変化を調べることで検討を試みる。
【方法】
対象は、平均20歳の男性8名とし、15分間の赤色発光ダイオード光(660nm)の照射(70-80lx)を、2回連続にてそれを1日に1-2回、合計22回実施する。実験中、被験者は閉眼し、さらにアイマスクにて光を遮蔽させる。照射には、光フィードバックの技法を取り入れる。1回目と2回目の照射では、1回目の照射の直前に採血をした。また、21回目と22回目の照射では、21回目の照射の前・両照射の間・22回目の照射の後に、光を照射しない期間を15分間ずつ設け、これらの5つの各期間の前後のすなわち6回にわたり採血した。これらの計7回の採血にて、血中カテコーラミン濃度を測定し比較した。
【結果】
血中エピネフリンと血中ドパミンの濃度には変化は見られなかった。しかし、血中ノルエピネフリンの濃度は、1回目の照射の直前に比し22回目の照射の15分後で有意な減少が認められた。
1.研究テーマ(2):魚類の活性酸素消去能についての研究−キュウリエソを中心に検討
2.研究者氏名:亀井 勉
3.研究概要
【目的】
近年、生体に普遍的に存在する活性酸素の消去能については、X(活性酸素)Y(ハイドロジェンドナー)Z(メディエーター)系活性酸素消去発光という現象を基本とすることが解明されてきた。この現象は、Xを光エネルギーに変換して安定化させる系であり、Yは抗酸化作用を示しており、ZはそのメディエーターですなわちYとともにXの光エネルギーへの変換をもたらすものである。そして、食品から観察される微弱発光についても、生体の生理活性にさまざまに影響することが知られてきている。
近年、食品のこの発光のメカニズムが、食品や生体に含まれる活性酸素消去物質(Y種及びZ種)による活性酸素(X種)消去時の発光であることを明らかにした。この発光系で観察される発光強度が、抗酸化性・ラジカル消去活性に相関することから、食品の発光を検出することによって、活性酸素消去能を簡便な測定法で推測することが可能となった。
一方、日本海に特定して大量に棲息する深海魚であるキューリエソは、アミノ酸及び脂肪酸の含量が非常に豊富であることが知られており、健康に好影響を与える重要な海洋資源である可能性が考えられる。
今回、キューリエソの各部位別にXYZ系活性酸素消去発光を測定し、さらに他の日本海に棲息する魚と測定値を比較することにより、キューリエソの予防医学への応用の可能性について検討した。
【方法】
材料には、キューリエソの他、アジ(子アジ)、トビウオ、イワシ、サンマ、イカの計6種類を用いた。いずれも、凍結保存していたものを解凍して用いた。
標準試薬については、X試薬には2%過酸化水素を、Y試薬には10%アセトアルデヒドを含む飽和没食子酸を、Z試薬には10%アセトアルデヒドを含む飽和炭酸水素カリウムを、それぞれ用いた。
まず、キューリエソを、頭部、内臓、魚身の3ヶ所について部位別に切り出してハサミで切り刻み、X試薬とY試薬(X+Y試薬)でXYZ系活性酸素消去発光におけるZ消去発光の測定にてZ種の検出を、さらにX+Z試薬でXYZ系活性酸素消去発光におけるY消去発光の測定にてY種の検出を、それぞれ行った。
次に、キューリエソ、アジ、トビウオ、イワシ、サンマ、イカの6種類の魚身部を切り出してハサミで切り刻み、X試薬とY試薬でXYZ系活性酸素消去発光におけるZ消去発光を調べ、さらにX試薬とZ試薬でXYZ系活性酸素消去発光におけるY消去発光を調べた。 さらに、この6種類の魚身部について同様に切り出して切り刻み、X試薬とY試薬とZ試薬でXYZ系活性酸素消去発光の増幅因子の有無と程度について調べた。
活性酸素消去能を測定法は、暗室でCCDカメラにより行い、反応10分後の発光強度、輝度により抗酸化性を評価した。なお、この方法には、視覚インパクトが強くて測定法もバッチであるため、サンプルの発光場所・部位の特定・固体サンプルの測定・多種の試料の同時比較が可能である(マルチプレートセルを用いるため)等の利点がある。
【結果】
図1は、キューリエソを部位別に切り出して切り刻み、Z消去発光とY消去発光を測定した結果を示している。図の左側にあるように、Z消去発光は魚身部で約1900輝度と最も高値で、次いで頭部で約1200輝度、内臓では約500輝度であった。また、図の右側にあるように、Y消去発光は三者とも一般に低値であったが、魚身部で約120輝度と比較的高い値を示した。
次に、この最もZ消去発光の輝度が高かった魚身について、キューリエソ、アジ、トビウオ、イワシ、サンマ、イカでZ消去発光を比較したのが、図2である。イワシが約2000輝度と最も高値で、次いでサンマが約1000輝度、アジとトビウオが約500輝度で、キューリエソは約300輝度であった。イカではわずかに約30輝度であった。これにより、キューリエソのZ種の含有は他の魚類と比べて多くはないと考えられるが、ヒトがこれを摂取する場合には、人体にはZ種の含有が多いことが知られているため、抗酸化性・ラジカル消去活性には影響はないものと思われる。
また、キューリエソ、アジ、トビウオ、イワシ、サンマ、イカの魚身のY消去発光を比較したのが、図3である。キューリエソとイワシとイカが約60輝度と高値で、サンマは約30輝度、アジとトビウオが約20輝度と低値であった。これにより、キューリエソのY種の含有は魚類の中で多い方であり、高い抗酸化作用を有する魚類であると考えられた。
さらに、6種類の魚身のXYZ系活性酸素消去発光の増幅因子について比較したのが、図4である。キューリエソとイワシが約250輝度で最も増幅因子を有し、両者の抗酸化性・ラジカル消去活性は高いものと考えられた。サンマが約120輝度、アジが約60輝度と続き、イカとトビウオはそれぞれ30輝度、約20輝度と低値であった。
これらの結果から、キューリエソの特に魚身は、主にY(ハイドロジェンドナー)種を多く含むことにより魚類の中でもXYZ系活性酸素消去能が比較的高く、すなわち高い抗酸化作用を有することが考えられた。今後、発ガン予防などの代替医療に有用となる可能性が考えられる。
4. 学会機関誌発表状況
1) T. Kamei, Y. Toriumi, H. Kumano, S. Ohno, M. Yasushi: Changes in NK activity and CD57-CD16+ level by frontal exposure to red photodiode. J. Photosci. 9: 475-478, 2002.
2) T. Kamei, Y. Toriumi, H. Kumano, M. Yasushi: A regression of Miller Fisher syndrome using photic feedback: possibility of a new complementary therapy. J. Photosci.9: 530-533, 2002.
3) N. Suzuki, S. Ohno, T. Kamei, Y. Yoshiki, Y. Kikuchi, K. Okubo, T. Ohta, S. Shimizu, S. Koshimura, A. Taru, M. Inoue: Complementary and alternative medicine in Japan. Frontiers in Biomed., in press.
4) 沖田健一、吉岡牧美、奥井 学、亀井 勉、吉城由美子、大久保一良:キュウリエソのXYZ系発光とその活性酸素消去能について. XYZ系活性酸素消去発光研究会誌, 2: 42-45, 2002.
5) 亀井 勉:リラクセーションと細胞性免疫の変化. Jpn. J. Autogenic Therapy 22: 32-37, 2003.
6) 亀井 勉:ヨーガ. もう一つの医療−補完・代替医療, in press
7) T. Kamei: Yoga - Effect on serum cortisol and alpha wave activation. Yoga for Positive Health - An International Conference and Workshop, 2002. 3. Houston, USA /Abstracts p25
8) T. Kamei, Y. Toriumi, H. Kumano, S. Ohno, M. Yasushi: Changes in NK activity and CD57-CD16+ level by frontal exposure to red photodiode. 1st Asian Conference on Photobiology, 2002. 6. Awaji, Japan /Abstract p190
9) T. Kamei, Y. Toriumi, H. Kumano, M. Yasushi: A regression of Miller Fisher syndrome using photic feedback: possibility of a new complementary therapy. 1st Asian Conference on Photobiology, 2002. 6. Awaji, Japan /Abstract p211
10) K. Murata, Y. Toriumi, N. Suzuki, T. Kamei: Effect of Sho-Seiryu-To on elderly choronic skin itching. The 5th Annual Japanese Congress on Alternative and Complementary Medicine, 2002. 11. Kanazawa, Japan /Abstracts p87
11) K. Murata, N. Suzuki, T. Kamei: Mao-bushi-saishin-to improves MRSA urinary tract infection. The 5th Annual Japanese Congress on Alternative and Complementary Medicine, 2002. 11. Kanazawa, Japan /Abstracts p90
12) G. Hoshino, Y. Toriumi, H. Kimura, K. Kimura, N. Suzuki, T. Kamei: Changes in cellular immunity using yoga respiratory exercise. The 5th Annual Japanese Congress on Alternative and Complementary Medicine, 2002. 11. Kanazawa, Japan /Abstracts p91
13) 村田幸治、鳥海善貴、亀井 勉:小青龍湯が有効と考えられた慢性皮膚湿疹の2例. 第7回島根中医学会、平成14年5月、出雲市(抄録 p9)
14) 村田幸治、鳥海善貴、鈴木信孝、亀井 勉:高齢者の慢性皮膚掻痒症の2例に対する小青龍湯の効果の検討. 第5回日本補完代替医療学会学術集会、平成14年11月、金沢市(抄録集 p50)
15) 村田幸治、鈴木信孝、亀井 勉:麻黄附子細辛湯の投与にて培養所見が改善したMRSA尿路感染症の1例. 第5回日本補完代替医療学会学術集会、平成14年11月、金沢市(抄録集 p59)
16) 星野 元、鳥海善貴、木村 浩、木村慧心、鈴木信孝、亀井 勉:ヨーガの呼吸法による細胞性免疫の変動. 第5回日本補完代替医療学会学術集会、平成14年11月、金沢市(抄録集 p60)
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